遺品整理士はミタ

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できなかった特殊清掃

 遺品整理士の堀川です。

 私ごとなのですが、年末年始で親戚を2人も亡くしました。小さいころからよくしてもらった大叔父と兄と慕っていた親戚の二人です。コロナウイルスの影響で会えていなかったのもあり、ショックで今でも思い出して涙が出ます。最後に会いたかった。恩を返せなかった。そんな気持ちでいっぱいでした。

 特に兄と慕っていた親戚は孤独死でした。年齢も働き盛りの40代。両親想いの本当に良い人です。料理人として働いていたのでお店によく食べに行きました。いつも良くしてもらっていて、私の義両親の家とお店が近かったこともあり家族での集まりに使ったり、会社の同僚を連れて行ったこと何度もあります。

 ずっとお世話になっていて地元への帰省の時にはお土産を持って家に行っていました。それがまさか会えていなかったコロナ禍の1年半のうちに亡くなってしまうなんて。連絡を受けた時に信じられない思いで何度も確認したのを覚えています。仕事では孤独死・孤立死の現実を目の当たりにしてきましたが、自分自身の身の回りで起きるとやはり現実感がないものです。

 孤独死は様々な悲しみを生みます。最後を看取ることができなかった家族や一目会うことができなかった友人。一人で死なせてしまったことへの憤りもあるでしょう。孤独死を迎えた部屋に入った家族はさらに衝撃を受けます。部屋に入れない人も多いでしょう。

 兄の通夜や葬儀は私の両親から戻ってこなくていいといわれました。飛んで戻りたかったのですが、緊急事態宣言も出ていましたし家族を不安にさせるわけにもいかないので両親に伝えておはなを包んでもらいました。

 親戚には私の仕事のことや不安があれば相談してほしい旨の言付けも頼みました。

 もし特殊清掃の話があればすぐにでも行くつもりでした。それが恩返しにもなるのではないかと思えたからです。むしろ他の業者に大切な兄の部屋を、兄がそこにいた証拠に触れてほしくありませんでした。どんな業者がどんな風に扱うのかを考えると不安でした。

 私自身、依頼する側の親族の気持ちに寄り添って業務を行っていたつもりですが、実際に親族になるとどんな業者がどんな風に行うのかとても不明瞭で不安なものです。

 結局親戚からの連絡はなく私は兄の特殊清掃・遺品整理を行う機会はありませんでした。兄の家族も親戚の私に任せるのは気が引けていたのかもしれませんが、私は特殊清掃を行うまではそこにその人が留まっているような不思議な感覚があります。特殊清掃を行うことでその人を送り出す手伝いをしているような思いになるのです。実際に故人の肉体の一部がそこにあることが多いのです。それも綺麗にしてあげたい。そう思います。

 今回親戚の大切な兄を亡くすということを経験したことで、今後のご遺族様との関わり方が少しでも変わればと思います。大切な人を亡くす悲しみに対して寄り添うことを今一度考えます。

コロナウイルスと遺品整理

遺品整理士の堀川です。

 世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症。日本国内においても、第三波といわれる感染拡大が起きています。

 新型コロナウイルス感染症は、ご高齢の方が感染すると持病の影響などから重症化する傾向が強いというのは周知の事実かもしれませんが、残念ながら亡くなるという事例も相次いで報告されています。
 国内での感染者数は、4月18日に1万人を超え、高温多湿の夏季には一度落ち着いたようですが、12月1日現在感染者数の累計は15万人に上っています。ただ、回復された方も12万超いらっしゃいますので一概に感染者数の累計をニュースで見て悲観するものではありません。

 しかしながら2千人を超える方が亡くなられている事実があり、非常に悲しいことですが、新型コロナウイルス感染症などの感染症によって亡くなった方は、感染拡大のリスクを避けるため、遺族が対面して最後のお別れをすることすら叶わずに荼毘に付されます。

遺族にとっては非常に辛く、また、非常に悔しいことかと思います。

そして、荼毘に付した後に待っているのは、故人の「遺品整理」です。

ですが、突然訪れた別れの後に遺品整理を…と思っても、何から始めたらいいか分からない方も多いのではないでしょうか?

故人との突然の別れも“対岸の火事”ではない今こそ、遺品整理について考えるきっかけと言えるかもしれません。

遺品整理を行う側が考える安心と誠実

 遺品整理士の堀川です。

 近年、遺品整理業者の数は需要も伴って爆発的に増えており、遺品整理士という民間資格を認定している遺品整理士認定協会の登録企業数も全国で863社(2020.12.3現在)あります。

 遺品整理士認定協会に登録するかどうかは各企業の考え方や方針次第ではあるので、登録していないからと言って遺品整理業が行えないわけでもないですし、悪辣な企業だから登録していないというわけでもありません

 遺品整理士認定協会が創られ遺品整理士の資格認定を始めた理由としては、遺品整理業界全体の法規制の順守や共通認識、マナーを標準化したいという考えからです。

 しかし、この遺品整理士という資格は誰でも取得は可能ですし、遺品整理サービスの質を完全に保証するものでもありません。資格取得の為には、教材を取り寄せ、それについてのレポートを提出し、認定協会の確認ののちに合否が通知されます。どのような遺品整理サービスを行っているのかは合否には関係ないのです。しかし、あまりにひどい内容のサービスの場合は遺品整理士認定協会に連絡することで登録企業に対して注意が促されるようです。

 ただ、先ほどは悪い例を挙げましたが、差別化という意味では遺品整理士資格を持つ他企業と同じことを行っていても自社の評価にはつながりませんし、お客様の目にも留まりません。なのでその会社独自の取り組みがある程度必要になってきます。

 弊社の場合では、お電話でのご連絡をいただくことがほとんどなのですが、その後現地を見せていただき、お見積り中で弊社の行う遺品整理業務の内容や希望日程、その他簡易清掃はいつも行っているのですが、本格的なハウスクリーニングが必要な場合やリフォーム、解体等についてもご希望をお伺いしながらお見積り書を作成します。もちろん必ずしもその場でご依頼となるわけではありません。弊社としましても、手書きでのお見積り書は見栄えの良いものではありませんので、パソコンで打ち直した見積書、工程表、お伺いしたご要望をもとにご遺族様ごとの業務内容の説明書を作らせていただきお送りしております。その内容もご覧いただきご検討いただければと思っております。

 先述しましたが、遺品整理業者は年々増えており、依頼する側からしても依頼しようとしているところがどのようなところなのか、ある程度までしか知ることはできないでしょう。しかし、依頼する遺品整理業者を間違えるとトラブルにつながることは少なくありません。検討に十分はないと思いますので、お時間の許す限りのご検討をおすすめいたします。

孤立死は突然起こる

 遺品整理士の堀川です。

 先日、特殊清掃の業務をさせていただきました。そこは社員寮の一室で、亡くなった原因は持病の悪化によるもののようでした。

  まだ残暑の残る季節の中、亡くなってから4日という短い期間でご遺体が発見されたのは不幸中の幸いと言わざるを得ません。しかし、わずか4日の期間でも気温が高いうちは体の腐食が進み、死臭が発見後4日というのを疑うほどにしていました。亡くなっていたのは和室の角の部分で壁に寄り掛かるようにして亡くなっていたようです。和室で砂壁だったこともあり体液が壁や畳に広く滲んでいてそこでどのような態勢で亡くなっていたのが一目でわかるような状態でした。

 お客様は寮の管理をされている方で、社員寮ということもあり今まで特殊清掃が必要になったことはなかったようです。リフォームはご自分たちで行うとの要望だったため、こちらからご提案したのは、

  汚染個所の体液の除去、全部屋の除菌・消臭、残置物の撤去、砂壁の汚染部分の除去です。

 1日で作業を終える必要があった為、初めに全部屋を除菌・消臭しながら残置物の梱包と搬出を行い、途中から汚染部の体液除去と細部の除菌・拭き取り作業に分かれました。残暑が残る中と書きましたが、やはり防護服の中は暑く、ガスマスクの内側にも汗が溜まり揺れているのがわかります。全体の除菌と体液除去まで終われば防護服を脱いで作業を行いますが、それまでは体に影響を及ぼす菌も浮遊していますので防護服は脱げません。

 亡くなったのは退職された社員の方だったらしいのですが、社員寮という繋がりの中であったとしても病気や突然の不幸などで亡くなった場合、意識していなければすぐ発見につながらないということがわかる事例でした。発見に至ったのは、「いつもは会うのに数日見ていない」との同僚の言葉からだったそうです。

 

除菌・滅菌・殺菌~ウイルスは菌ではない~

 遺品整理士の堀川です。

 コロナウイルスの影響から、店舗や住宅の除菌や殺菌ができるかどうかのお問い合わせをいただくことがあります。

 除菌や殺菌といった言葉は細菌に対する効果を謳ったものです。細菌は栄養を摂取し、細胞分裂を行い増殖する生物のようなものだと考えられています。しかし、今回世間を騒がせているのはウイルスです。ウイルスは生物ではないという見方が強く、細胞がなく栄養の摂取を行いません。また、細菌と違い単体では増殖することもできず自分で動くこともできません。ではどのようにしてウイルスは増えるのかというと、10億分の1メートルほどの小さな体を利用して他の生物の細胞に潜り込み、その細胞の増殖能力を利用して自身の遺伝子情報をコピーすることで増えていくのです。人に感染した場合はその人の細胞の中で増殖して個体数を増やします。

 菌と闘うには、こちらも菌について知らなければいけません。どういう薬剤が効くのかもそれぞれの個体差もあります。また、菌やウイルスに良く効く薬剤というものは人体にとっても影響の大きいものが多いこともあり、個人で購入して使用する場合も薬効と副作用について十分理解したいものです。

遠方からの遺品整理で重要なこと②

 遺品整理士の堀川です。

 前回の記事であまり時間をかけられという方は遺品整理業者を探すのがおすすめですと書きましたが、ではどのような業者を選ぶべきかということに触れたいと思います。

 私は今まで遺品整理業務に携わってきて様々なご遺族様とお会いしました。ご要望も多岐に渡り、ご依頼に至ったものがあれば、残念ながら他社にお願いされたものもあります。そんな時は「なぜ弊社にご依頼をいただけたのか」「なぜご依頼に繋がらなかったか」をお聞きしてサービスの向上に努めています。そのことを踏まえた上でどのような業者がおすすめかをお話ししたいと思います。

 ①「日時を指定できるかどうか」  可能であれば予定を合わせることができる業者が良いと思いますが、あまりにもいつでも大丈夫ですというところはお勧めしません。

 ②「支払い方法の指定ができるか」  直接の現金のやり取りだけでなく、振り込みやカード決済などの支払い方法があればそれなりに信用のある会社です。特にカード決済ができる会社はカード会社の信用調査を受けています。

 ③「立ち合いができるか」  できれば立ち合いをしたいけれどもそれを嫌がるそぶりをする業者は選ばないようにしましょう。大切な遺品が失くなる場合があります。

 ④「買取ができるか」  自社での買取か業者が提携している会社の買取かは特にこだわらなくてもよいと思いますが、買取の希望に応えてくれるところであれば、買取による収入と買取に伴う処分品の減少により処分料として支払う費用を減額できます。

 ⑤「スケジュール(工程表など)の提出ができるか」  業者により遺品整理業務の行い方には違いがあるかと思いますが、その流れを工程表などに落とし込んで提出してもらえる業者であれば、時間が前後するにしてもある程度の目安をつけることができます。

 ⑥「近隣への挨拶を行うか又その文面を見せてもらえるか」  特にマンション・アパートなどでのことですが、階段やエレベーターをある程度占拠することになりますし、何度も昇降を行いますので気になられる方もいらっしゃいます。そういった場合に近隣への挨拶や周知文を作ってくれるかは重要です。

 ⑦「見積金額は明確か( 見積金額と支払金額が異なる場合があるか )」  精算時に見積額とは別に追加支払いが発生するかを確認することが重要です。見積額よりも支払額が下がる分にはいいかもしれませんが、追加支払いとなることがある場合は、どのような場合かを明確にする必要があります。

 ⑧「遺品の処分方法は適切か」  遺品を処分する場合は市町村別に定められた処分方法に従う必要があります。これは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃掃法)に定められており、市町村長が許可若しくは委託した収集運搬事業者のみ廃棄物の収集と運搬を行うことができます。遺品整理業者の中でこの収集運搬許可を持っていることはほぼないので遺品整理業務を行った後に遺品の処分も自社で行うといった業者はほぼ違法業者です。そういった業者を選んで問題が起きた場合、よく調べずに業者を選んだ依頼者も罰せられる場合があります。ちなみに遺品の処分を産業廃棄物収集運搬許可を持っている業者が行うことも違法です。産業廃棄物は事業に伴って排出される特定の廃棄物です。一般家庭から出る廃棄物は一般廃棄物に分類され産業廃棄物収集運搬許可では運搬できません。

 ⑨「連絡が取れる連絡先をもっているか」  これはその業者の信用性の問題です。携帯連絡先だけでなく、固定電話番号や住所があるかどうか名刺やホームページも確認しましょう。

以上の9つのことを意識することで良い業者の選定につながると思います。ぜひご活用ください。

遠方からの遺品整理で重要なこと①

 遺品整理士の堀川です。

 親族が亡くなり遺品整理をする際、同居しておらず遠方に住んでいるというケースが増えています。交通手段が発達し、就職の為に親元を離れて生活しているうちにそこで家族ができ、居を構えることも少なくありません。

 遺品整理を行う年齢ではまだ働いているという方が多いため、休暇を取得し遺族で行うか、昨今の情勢から時間が取れない場合は遺品整理業者に任せるという方法があります。ただし、遺族で遺品整理を行う場合はかなりの時間がかかることを覚悟しなければなりません。長ければ1か月程かかります。そんなにかかるわけないと思われるかもしれませんが、整理を始めるとどうしても手が止まってしまうのです。片づけるものの中には小さい頃の思い出や個人とのつながりを感じられるものが多くあります。それに対面した時、もの思いにふけってしまうことが多々あります。

 あまり時間をかけられないという方は初めから遺品整理業者を探すことをお勧めします。近年の傾向としてはアパートの一室の整理業務が多くなっているように思います。そのような場合は家賃の関係もあるためできるだけ早い解約を希望される方が多いのです。

 子どもが巣立った後は夫婦二人の時間ですが、どちらか一方が先に亡くなった後は広い家からアパートに移り住んだり、子どもと同居する方や福祉施設に入居される方がほとんどです。そんな時に荷物が多くないよう身の回りはすっきりとさせていたいところです。

コロナへの対策から増える除菌業務

 遺品整理士の堀川です。

 最近少しずつコロナウイルスの罹患者が減っている報道がなされています。弊社のある福岡県でも、直近2週間の新規罹患者数が1日あたり0~2人と低い水準で推移しています。これは偏に国民全員が「stay home」の掛け声のもと外出の自粛を行った効果だといえるのではないでしょうか。

 5月12日の西村経済再生担当相の記者会見で特定警戒地域の一部と特定警戒地域以外の緊急事態宣言を解除することを視野に入れ検討しているとの発言がありました。私個人としてはこのコロナ禍が収束に向かっている指標となると安堵しました。

 しかし、現状でも毎日数名の方がコロナウイルスが原因で亡くなっているのも事実です。引き続き手洗いうがいや除菌、3密を避けることへ意識を持つ必要があります。

 また、緊急事態宣言が解除されたからと言って、現状のまますぐに飲食店や商店が営業できるかは疑問です。実際に営業前に店舗全体を除菌したいという問い合わせや、葬儀場では葬儀毎に除菌を行いたいという問い合わせがあります。

 昨今の状況により高まる除菌への意識から、需要に応える形で除菌業務に特化した業種が増えていくかもしれません。

30代で書くエンディングノート

 エンディングノートの必要性は各年代が感じているものです。特に50代以降は人生の終点を意識し始める為、作成する割合が多くなってきます。ではその時を感じた時に書けばいいのかというとそうではないのです。人生の終わりは突然訪れるものです。

 年齢別の死因を見た時に40歳~89歳までの1位は悪性新生物、2位は主に心疾患、3位は脳血管疾患です。39歳よりも前では悲しいことに自殺と不慮の事故が半数を占めています。まだ早いと思っている時にこそ書くべきだと思います。

 エンディングノートを書く際には、決まった書き方がないのであなたの考えや家族へのメッセージを自由に書くのがいいでしょう。難しく考えず、ありのままの気持ちや現状を書きけば、家族に残せるメッセージは多いかと思います。自分の人生が幸せだったことを伝えてあげると、残された家族も安心できます。

 特に30代は働き盛りです。家族ができている人も多いでしょう。だからこそ、自分にもしもの事があったら…そう考えるだけで、いろいろと心配ごとが増えていきます。 あなたの悩みも素直に書けたら、きっと家族は分かってくれます。

 エンディングノートは、受けとった家族にとっては、あなたからの大切なメッセージになります。正直に書きましょう!

 エンディングノートは、必要な情報を正確に詳しく書くことが条件です。思い立ったが吉日。大切な家族に向けた、思いの伝わるエンディングノートを今すぐ作成しましょう。